夕涼み第Ⅲ部会

アニメ・小説を扱うことが多いですが、基本的に何でもありです

アニメ「日常」全26話を完走した話

アニメ「日常」全26話を、昨日完走した。1日1話くらいのスローペースでの視聴だったが、これが毎日の楽しみだった分、最終話を見終えたときに覚えた「ああ、終わってしまった...」という感覚はとても大きなものだった。アニメ(特に日常系)の最終回を迎えるときのある種の喪失感は、いつになっても慣れない。

 

「日常」の基本データを振り返ってみる。アニメ「日常」の放送は2011年。今から12年前になる。翌年には全26話を再編集の上12話にまとめてNHKEテレでも放送された...らしい。「らしい」というのは、もちろん私が当時のことを知らないからであり、知ったかぶって書いている基本データはウィキペディアで調べてはじめて知ったというものに過ぎない。ちなみに「日常」放送当時はポケモンにはまっていたような気がする。

 

26話というとちょうど2クールにあたる。原作では当初からなのが時定高校に通っているが、アニメでは2クール目の冒頭から通うようになるなど、アニメに合わせて多少の変更が施されている。ここで1つ注目したいのは、この変更に合わせて作られている2種類のオープニングテーマが本編の内容と奇跡のマッチングを果たしているように思われる点だ。前期の「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」は歌詞自体は直球の初恋ソングで、別にアニメ本編にラブコメ要素がいっぱいあるかというとそうではないのだが、なにかワクワクすることが始まったという印象を与える。特にイントロは「日常」の世界観にぐっと引き込んでいくポップな曲調と爽やかな疾走感が耳に心地いい。また、後期の「ヒャダインのじょーじょーゆーじょー」はなのが時定高校に通い始める本編を強く意識した歌詞になっており、ゆっこをはじめとした3人衆との友情の芽生えがストレートに表現される。オープニング映像でなのが東雲研究所から駆け出していくシーンは、日常「第2章」の始まりを強く感じさせる。サビはもちろん「ワッショイ!」である。気づいたら私もワッショイ言っていた。

 

基本線はギャグなので、ゆっこ、みおちゃん、麻衣ちゃんの3人衆、東雲研究所、笹原先輩及びその周辺、囲碁サッカー部...等ハチャメチャなキャラたちが繰り広げるシュールなギャグが続いていくのだが、その中でも個人的に異彩を放っていると思われ、かつ興味深かったのが「はかせ」といういわば「謎的生命体」の存在だ。あらゆることが不明のまま物語は続き、あらゆることが不明のまま26話は過ぎていった。だが、そんな謎の存在が見せる年齢相応(8歳だよね?)の純粋さと、なの&阪本との掛け合い、及び3人衆との邂逅は視聴者の自然な笑いを誘う。普段ミステリーを読んでいると、謎的要素がいかに謎でなくなるかの喜びを得ようとするが、この場合あえて謎が謎のままでありつづけることで物語に大きな効果が出ているように思う。不思議なキャラというのは、いつでも面白い。

 

とまあとりあえず主題歌と「はかせ」については思うところを書いてみたが、他にもお気に入りはいろいろある(特にゆっこ、みおちゃん、麻衣ちゃんとか)。が、あまりにも長くなりそうので、今回はこんな感じで。ちなみに原作漫画は2015年で一度連載を修了したようだが、2021年から月刊少年エースで連載を再開しているのでそちらも要チェックだ。